夏休みの宿題で郷土研究(自由研究)をする小中学生向けの記事です。
- 本の調べかた
- 現地での調べかた
- 文章の書きかた
など、あまり教えてもらう機会がない部分にしぼって紹介します。
「勉強」と「研究」のちがいを知りましょう!
郷土研究や自由研究には「研究」という名前がついています。
こういった、言葉の細かな違いに気をつけてみると、新しく気づけることは多いです。
ふだんの勉強と、研究とのちがいをまとめると次のとおりです。
- 勉強…すでにわかっていることや、すでにだれかが調べたことを習うこと。
- 研究…まだだれも調べていないこと、わかっていないことを見つけて調べること。
すでに教科書に載っていることをまとめるのは、研究ではないということですね。
いいかえれば、研究は探検のようなものです。
みんなが知らない、みんなが興味をもっていないものを最初に発見してみてください。
テーマの探しかた
郷土研究をするとき、テーマを決めるのが一番むずかしいという子もいるでしょう。
当教室の本棚には、下写真のような参考リストも用意しています。
でも、できるかぎり、自分が知りたいという郷土の謎を自分で見つけましょう。それが研究の原動力になります。
とはいえ、郷土(=自分の町)のどの部分を取り上げるか、という考えかただけヒントを書いておきます。
郷土研究なら、地理(地図モノ)、歴史(時代モノ)、公民(自分の町の世の中にあるモノ)の3つの世界に分けて、地元のアレコレを考えてみたり、いらない紙などに書きだしたりしてみましょう。上の画像も多少ヒントのつもりです。
ネタが浮かばない時は、自分や友だちだけで考えず、周りの大人にも聞いてみると良いでしょう。
「自分の町で、気になっていることや不思議なものってない??」と聞いてきましょう。
大人なので、想像よりこの世の中のことをいろいろ知っていますし、社会で抱いている疑問も多いはずです。
テーマが決まったら
研究には「正しい方法」があります。
思いつくまま書くのは、感想文や随筆、エッセイと呼ばれるものであり、研究とは言えません。
研究は、計画的に書かれた文章でないといけません。
ならば、書く前に「型(かた)」を知っておくことが大事です。
サッカーにルールがあるように、剣道にも「型」と呼ばれる決まりごとがあるように、研究にも「型」があります。
今回の郷土研究からは、ぜひ「型」にはめてみて書いてみましょう。
その「型」のひとつを紹介します。
「型」はまず、目次を作ることです。
下はあくまでも見本ですから、テーマや内容に合わせて、自分の文章に直してくださいね。
目次の種類(例)
- はじめに(まえがき)
- 調査の方法
- 文献調査
- 現地調査
- 聞き取り調査
- 結論
- 参考文献
上の例は、王道の目次です。
文章の流れで書くと、下のような感じです。
なぜこれを調べたいと思ったか?
↓
だから、こういう方法で調べてみようと思った。
↓
まずは本で調べた。
↓
次に実際に行ってみた。
↓
人にも聞いてみた。
↓
本、現地、人に聞いた結果、こうだった。
研究は、このような「型」にはめて順番に進めていくと、いつのまにか形になっています。
参考にしてみてください。
文章の表現(例)
最初の書き出しかたに悩む声をよく聞きます。
使うと良い文章表現の例をいくつか紹介しましょう。
ただし、正解は一つではないので、かならず研究テーマや話の流れにあわせて、細かい表現や言い回しは変えてくださいね。
はじめに(まえがき) 編
私が今回この研究テーマを取り上げる理由は、 ~ だからです。
(きっかけは、 ~ でした。)
特に、 ~ ということに疑問を持ちました。
一般的には ~ といわれていますが、本当にそうなのか調べてみました。
調査の方法 編
このテーマを、次の3つの方法で調べてみました。
1つ目は、文献調査です。 ~ で文献を探してきました。
2つ目は、現地調査です。 ~ へ行って○○を観察してきました。
3つ目は、聞き取り調査です。 ~ で○○さんに話をうかがいました。
文献調査 編
このテーマについて、今までわかっていることを本で調べてみました。
本は、○○図書館の郷土資料コーナーや書庫から探しました。
図書館の方にも、本を探すのに協力していただきました。
○○○○氏の『本の題名』によると「~」と書かれていました。
現地調査 編
次に、 ~ へ実際に訪れてみました。現地の写真や図を掲載します。
聞き取り調査 編
さらに、○○さんから話をうかがうことができました。
「~」だと教えていただきました。
結論 編
以上の調査を終えて、 ~ ということがわかりました。
しかし、 ~ ということはわかりませんでした。
この謎の部分ですが、私は ~ ではないかと考えています。
その理由は、 ~ だからです。
『文献名』に ~ と書いてあり、現地に ~ があり、○○さんも ~ と言っていました。
これからは ~ ということを知るために、さらに深く勉強していきたいと思います。
参考文献 編
【本の表記のルール】
筆者名 『本の題名』 出版社名 出版年 参考にしたページ
【雑誌の表記のルール】
筆者名 「記事・論文の題名」 『雑誌の名前』第〇号 出版年 参考にしたページ
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この記事を通して、皆さんの研究スキルがレベルアップすることを願っています。
郷土研究。がんばって力作を仕上げてください!
塾生の方なら、実物を見せてくれたらアドバイスいたします。
京進スクール・ワン四日市ときわ教室
住所:三重県四日市市城西町4-21 ときわビル1階東
電話受付時間:15:00~22:00(日曜・月曜定休日)
電話番号:059-329-7664
教室長:吉川(よしかわ)
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