立命館大学2022年度総合型選抜(AO選抜)「人文学プロポーズ方式」で合格!

2022年11月24日木曜日

高校生 合格体験記 大学入試

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立命館大学衣笠キャンパス(母校です)


京進スクール・ワン四日市ときわ教室の吉川です。

先日、立命館大学文学部に合格した生徒さんがいます。

入試方式は「人文学プロポーズ方式」。

これは聞き慣れないですね。どんな入試なのでしょう?

個別指導塾ですので、過去問がないような特別な入試にも、いろいろな想定や準備をしたうえで対応しています。
かつて、中京大学で高大接続型入試が導入された時の初年度にも受験・合格してくれた生徒さんがいましたが、その時も手探りでした。

しかしいずれにしても、大学が求めるレベルは、最終的には一般入試のそれと変わらないと考えるようにしています。
当塾で対策する際は、常にそこを念頭に置いて、目の前の生徒さんが受験大学のレベルに達するまで研鑽を求めます。

では、今回の立命館の人文学プロポーズ方式はそのように対応したか?
今後の受験生の方の参考になればと思い、インターネット上で情報を残します。


人文学プロポーズ方式の受験内容(2022年度、文学部の場合)


第一次選考(出願時。オンライン&郵送)

  • エントリーシートの提出(オンライン上)
  • プロポーザルシートの提出(オンライン上)

上記書類を含めた総合評価で第二次選考に進めるかどうかが決まります。

第二次選考(大学で実施)

  • プロポーザルシートの内容を元に、パワーポイントを用いた10分のプレゼンテーションと10分の質疑応答
  • 個人面接

これ以上の詳細は立命館大学ホームページでご確認ください(2022年度のリンクを貼ります)。



出願条件+吉川の考え

この入試方式は専願ではありません。他大学の受験もOKです。

「プロポーズ」というのは、大学ホームページにも書いてありますが「提案」の意味です。

自分が大学で深く学びたいことを、書面やパワポ、プレゼンで大学教員に熱烈にアピールするという方式です。

ですので、この方式で出願してよいのは"大学で深く研究したいことが決まっている生徒"だけだと思います。


実際、先日合格した生徒さんも、大学で研究したいことが明確に決まっていました。
率直に、大学生・大学院生として研究していくにふさわしい内容だと感じました。まずは、ここに尽きると思います。

その研究テーマで、数千文字の文章や10分以上しゃべり続けるネタがあれば、この受験に向いています。
塾ができることは、ネタを用意することではなく、その原石ともいえるネタを、正しい発表形式に整えて、大学側にわかりやすく伝える方法を教え、対策していくことです。

また、本入試に評定基準はありませんが、出願時に高校の調査書は送るので、評定値が高いに越したことはないでしょう。
立命館のレベルを考慮すれば、4.0以上であれば不利にはならないのでは。
(もちろんそれに満たなくてもチャレンジです)

エントリーシートの対策

あらかじめ文字が入力できるように設定してあるPDFファイルに、必要事項を入力していきます。

書くことを考えないといけない欄は3か所。どれもPDF1ページ分です。

  • A欄 現在までの学習や日常生活から学び得たこと・自分の長所・特技など
  • B欄 出願する学域を志望する理由
  • C欄 卒業後の進路(就職や大学院進学など)

いかに、抽象的ではない具体的な実績や内容を書けるか、がポイントです。

もう少し言い方を変えます。

誰にでも書けることをいかに書かず、他の人には書けないことを盛り込んでいるか、ということです。

そこをはっきり持っていれば、挑戦権があります。ネタはまとまってなくてOKです。箇条書きで羅列できればじゅうぶんです。そこをどう文章に論理づけていくかを塾はサポートできます。


合格者の方は、個人情報にかかわるのでぼかした言い方になりますが、他の人がなかなか取得しない実績を持っていて(必ずしも資格・検定ではない)、それをA欄に書きました。その実績は、志望する学部・学域にふさわしい内容でした。そこがずれていないことも重要です。

A,B,Cのどこか一項目に、このような具体性や差別化があれば有利です。
大学側の立場に立てば、そのような内容を書いている受験生こそ、採用したいでしょう。

各欄いずれも、記入スペースの最後の行あたりまで書けていることも、試験官側の気持ちに立てば最低限の条件と言えます。

プロポーザルシートの対策

プロポーザルシートとは、自分を提案するシートであり、第二次選考のプレゼンにも利用します。

お題は「入学後に探究したいテーマと具体的な内容(800字程度)」でした。
800字程度=PDF1ページ分です。

できるかぎり、深く、狭いテーマが書けることを期待しています。
深く狭いとは、たとえば「いつ」という時間軸が絞られていて、「どこ」という空間軸も絞られているようなテーマ設定です。

たとえば、「平和を研究したい」では漠然としていて、求められるのは「○○時代、時期」の「○○地域、国」における平和の研究、といった具合です。なお、この場合の「平和」の定義(意味)も具体的に書けるようにしてください。

合格者の方は、研究対象を「人」レベルに絞っていました。
そのチョイスも、なかなか他の人が注目しないようなところで、しかもそれを受験のために意図的に設定したのではなく、自然と湧き上がる知的好奇心で設定したことが、最初に見せてくれたシートの素案からすぐに伝わるものでした。やはりネタありきなのです。


さらに、そのテーマをどのように研究していくか、「学習・活動計画」も作成して添付する必要があります。
これは決まった書式がないので、自動的に次の力が求められます。

  • ワードなどのパソコンでの文書作成技術
  • 特に、添付資料なので画像や図表などを貼り付ける技術
  • さらにそれをPDFに変換する技術

すでに趣味や学校活動のなかで習得していれば問題ありませんが、自信がない場合は対策が必要です。ご家族や周りの人に詳しい人がいない場合、もちろん塾もサポートできます。

そして、もっとも難しいのが「計画」内容でしょう。
なぜなら、まだ大学の学びの内容を知らない状態で、大学に入った後の学びを書かないといけないからです。

不合格ラインは、高校までの勉強のイメージで、大学の学びの計画を書いてしまうことです。
「勉強」と「研究」の違いを知っているか、ということも合否の基準の一つだと思います。

大学募集要項にも書いてありますが、対策としては、大学のパンフレットやホームページで、その大学・学部・学域で何が学習できるか、調べられる情報はすべて読んでおきましょう。

私のオススメは、受験学部・学域の教員一覧と、立命館の場合はオンラインシラバスが学外者も閲覧できるので、開講されている講義・授業をひととおり読んでおくことです。
その中で関心をもった教員の研究内容や講義内容があれば、そこと自分の研究テーマを関連付けて計画に反映してみるのも一手です。

シラバスでは、その授業が何回生対象かも書いてあるので、それも参考に、1回生から4回生まで各回生単位で分けて作成すると良いでしょう。テーマ的に大学院まで必要な場合は、遠慮なく大学院の計画も書いてしまいましょう。
(立命館は関西の大学なので、●年生ではなく●回生で書くことは大前提です。こうした細かいところもぬかりなく)

パワーポイントの対策

さて、めでたく第一次選考が通過したら、第二次選考のお知らせが届きます。

ちなみに、第一次合格通知から第二次選考日までは約1週間しか期間が空いていません。

合格が定まらない間も、水面下で第二次選考の準備は進めるしかないでしょう。


第二次選考の鬼門は、なんといってもプレゼン資料の作成です。

具体的には、パワーポイントでスライドを作成する必要があります。

場合によっては、まったく未経験の方もいるでしょう。
合格者の方も、完全に初めてでした。保護者の方や周りの方の助けを得ても限界があったので、塾でパワポの作り方からサポートしていきました。

実際に、パワーポイントのソフトを購入するところから始まり、入試当日は作成したパワポファイルをUSBメモリーに入れて持参する必要があるのでUSBメモリーの購入と使いかたの説明、そして、パワポスライドを2スライド/ページに印刷して持参する必要もあるのでその方法など、サポートしました。


肝心のパワポのスワイド内容ですが、基本はプロポーザルシートおよび学習計画の内容を落とし込んでいけばOKだと思います。
むしろ、そのシートに書いていないことを不安になって足しすぎると、その一貫性の欠如を見抜かれます。

プレゼン10分は、長そうに見えて、意外と短いです。
特に、この入試方式で受験するような、やりたいことに熱意を持っている生徒さんにとっては、なおさらです。意外と10分、早いですよ。

スライドの作り方は様々な流派や好みがあり、一つの正しい方法はありません。生徒さんの性格にもよるでしょう。むしろ、性格が出たスライドのほうが、誰かにおあつらえされたものにはなりにくく自然です。

そのあたりを前提としつつ、一般論として語るならスライドのポイントは次のとおりです。

  • 10分のプレゼンなので、1スライドで何分話すかをあらかじめ計算したスライド数を。
  • たとえば1分で1スライドなら、10ページのスライドを用意する。
  • 各スライドのデザインは、凝ってなくて良いので統一感を必ず出す。
  • 文字の大きさや色使いも、各ページで一貫性のあるものにする。
  • 研究テーマに左右されると思いますが、できるかぎり文字以外の画像・図表を挿入。
  • 個人的な好みを言えば、1枚のスライドに字を詰めすぎるのは△
  • 最後のページのスライドは、質疑応答の時間を考慮して何を書いておくか、大いに工夫の余地あり。

さらなる詳細は、吉川に直接聞いてください。

プレゼン・面接の対策

プレゼンの時は、台本・カンペのたぐいを携行することは許可されていません。

ある程度、当日のその場の雰囲気に合わせてアドリブでぶつかる胆力が必要です。

でも、自分が本当に好きなことなら、自然と熱っぽく話せるはずです。人間、そういうものです。
その話し方をできる限りスマートにできるようにサポートをしていきますが、最終的に細かいミスや拙い点があっても、熱意があれば大学教員はそこを評価してくれます。
なぜなら、大学教員も研究大好き人間ですから。

ですから、プレゼンの注意点を一つだけ挙げるとしたら、スライドの棒読みは避けることです。熱意が言葉に乗りにくくなります。

スライドは箇条書きレベルでシンプルに、その行間を自分の自然な言葉で足していくことをおすすめします。


プレゼン終了後、10分の質疑応答と個人面接があります。
ここで何を聞かれるかは、もはや発表した研究テーマで大きく変わります。

出願時に自分が作成した書類の内容は頭に入っていると思います。
試験官もその書類を読んだうえで面接するので、書類に書いた以上の「ネタの引き出し」はいくつか用意したいところです。

面接は詰問や圧迫風ではなく、友好的に接してくれます。
"自分の好きなこの世界のことを、ぜひわかって!"という気持ちで、研究大好き人間の大学の先生たちと会話してきてください。

おわりに

大学によって入試方式はちがいます。

立命館の今回の方式でも、これだけ語ることがありました。おつきあいいただいた皆様、誠にありがとうございます。

年度によっても入試方式は変わることも多いので、実際には受験生の方から相談を受けて、一緒に解決策を考えていくという個別指導をしています。

個人的には小論文や面接の対策は大好物ですので、そのような入試方式を検討されている方は、できればお早めにご相談ください。
※なお、京進スクール・ワンでは英数国理社の5科目のいずれかを通常授業として受講することが入塾の条件です。通常授業とは別で、小論文や面接の対策を教室長が無料対応していますので、その点ご了承ください。

自分自身の備忘録も兼ねて今回の記事を書きましたが、私自身も勉強のチャンスになるので、また特殊な入試方式のチャレンジャーにお会いできることを楽しみにしています!

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京進スクール・ワン四日市ときわ教室 
住所:三重県四日市市城西町4-21 ときわビル1階東 
電話受付時間:15:00~22:00(日曜・月曜定休日) 
電話番号:059-329-7664 
教室長:吉川(よしかわ) 
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