京進スクール・ワン四日市ときわ教室の吉川です。
先日、2学期中間テストの結果が返ってきました。
塾として、私は主に全体の分析を、講師の先生方は生徒一人一人のテスト結果を分析して、現在の授業に活かしています。
テストの点数が上がった生徒さんは文句なしなので、上がっているところを正しくほめて、このまま現在取り組んでいる方法で頑張ってもらえればと思っています。
学習塾の先生として、教えている生徒さん全員の成績を上げたいと思い指導していますが、現実問題、文字通り全員のテスト得点が上がるということはありません。
(受講している科目が上がって、受講していない科目が上がらなかったというケースもあります)
点数が上がった生徒さんには私たちもうれしいと思いつつ、その陰に潜んでいる悔しい生徒さんに対して、テスト前にもっとしてあげられることはなかったか、テスト後にどのような声をかけて何をしてもらうと、次は得点アップにつながるだろうか。
”原因は常に自分にある”という原因自分論の発想でふりかえりたいと思います。
この記事については、内部生の方向けの今月の教室通信で書いた内容ですが、使ったグラフと数値を貼り間違えていましたので、この記事で修正させていただきます。
平均点が下がったテストは、素点で評価しないで!
生徒さんのテストの出来栄えを評価するとき、一番やってはいけないのが、平均点無視で素点だけで評価することです。
素点とは、100点満点中、何点取ったかという答案どおりの数値です。わかりやすい指標ですが、テストのたびに難易度は変わります。
実際には前回より(順位的に)上がっているのに、点数だけで下がったと早合点して叱責してしまうと、子どもとしては張り合いがなくなります。
テスト後のモチベーションに大きく影響を与えるので、ぜひ、保護者の方にはお気をつけいただきたいポイントです。
上の表は、仮に素点が350点だった場合の例です。
常に350点ということはありえませんが、素点だけで見れば、横ばいですね。
生徒、保護者の方ともに、一見パッとはしない成績推移に見えるのではと思います。
しかし、学年平均点はテストによって変動しています。
上の表は某中学校の過去の1年間の平均点推移を載せたものですが、中1の最初は363点あった平均点が、中3の最後には283点まで下がっていることにお気づきいただけるでしょうか。
このような学年平均の中で、350点をどうやって評価するか?
素点から平均点を引いてみましょう。平均点差が出ます。
平均点差で、毎回のテストの上がり下がりをグラフ化してみると、下のようになりました。
山あり谷ありしながら、中1の最初の頃からは学力向上しているというケースになります。
このようなグラフの場合、学内順位も上がっている生徒さんになってきます。
成績の上がり下がりは、数値で正しく評価しましょう!
このことを知っていただくと、お子様の頑張りが報われますのでよろしくお願いします…。
中央値でも評価してみる
定期テストが終わって1~2週間たつと、「学習の記録」と呼ばれるわら半紙を中学校からもらえます。成績個票と言いかえることもできます。
「学習の記録」には、生徒さんの素点、そして学年平均点が印字されています。
順位はほとんどの場合印字されていませんが、学校の先生が算出しています。
中学校によりますが、生徒さんから聞けば教えてくれるところが多いように見受けられます。
そして、この「学習の記録」に5科目別および5科目合計点の「度数分布」の図が掲載されている場合があります。
何点を取っている子が何人いるかというのを、だいたい10点ごとに区切って棒グラフにしています。
この度数分布表の使い方を紹介したいと思います。
上画像は、某中学校の2年生のケースです。
5科目合計点の度数分布表から作成しました。
中1の3学期に習う「資料の整理」の分野で、中央値という考え方を習います。
その名のとおり、真ん中はどこかというのを計測する値で、平均点よりも実情を表したものになります。
平均点はあくまでも上位と下位をひっくるめただけの数値であり、実際は平均点を取っている生徒が一番多いというわけではないことに注意です。
中学校の度数分布表は一人一人の得点や人数も明記されておらず、50点ごとでの分布です。
たとえば、上の表で「475点」の層は、実際は450点~500点のゾーンのグラフとなっていたので、間を取った475点で表記しています。
このように、ざっくり中央値計算で申し訳ないですが、それを目で拾いあげていきました。
データ化したところ、平均点は約330点となりました。
学校が公表している実際の平均点は335点なので、5点誤差くらいのデータとお考えください。
では中央値はどこかというと、中1数学と同じ解き方で、204名中、上から102番目はどこかと数えます。
すると、375点の層(350~400点ゾーン)で99名となったため、その下の325点の層(300~350点ゾーン)が中央値に当たります。
学年平均が331点ですから、325点の層が中央値ということでほぼ一緒と考えることもできますが、この層は30人いるので層の一番下で順位は129位です。
102番目が中央値なので、実際は350点にかなり近いところが中央値になるかと思います。
まとめ~平均値と中央値のちがい~
平均点は335点に対して、中央値は350点近くに上がります。
このことから何が言えるかというと、どちらかというと上位層が固まっているということです。
平均点差だけでいえば、平均点から上がれば上がるほど順位も上がっていきますが、その上がり幅は、上に行けば行くほど上位が固まっているので、1点の差で数人を一気に抜けるかもしれません。
上位に行くなら、1点を大切にするべし=うっかりミスが治せないと上位の壁を破りにくいということです。
逆に、平均点未満の生徒さんは、得点が上がり、平均点差も平均に近づけたとしても、順位がそこまで変わらない恐れもあります。
でも、実際の学力は上がっていることに間違いないので、その頑張りを評価してほしいと思います。
素点だけで見ていると、その学年の実情、そして生徒さんの実際の学力の向上が見えにくくなります。
せめて平均点差、できれば中央値という視点も忘れずに、生徒さんの「上がった/下がった」を正しく評価してあげてほしいという話でした。
京進スクール・ワン四日市ときわ教室
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教室長:吉川(よしかわ)
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