京進発行『Guten Tag!』Vol.152 より |
京進の個別指導 スクール・ワン四日市ときわ教室の吉川です。
2024年6月23日、学習塾京進主催で教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏のオンライン講演会「受験必笑法」が開催されました。
Q&A形式でおおた氏がさまざまな受験の悩みに答えており、多くのご家庭にとって心響く話がたくさんありました。
講演会を聞いた方々の中だけにとどめるにはもったいないと思い、吉川が講演会を聞きながらメモした内容を紹介します。
私のフィルターを通してまとめた内容ですので、文責は吉川まで、ということでお願いいたします。
※この記事は、当教室の教室通信7月号の内容を再編したものです。
Q. 塾のテストで結果が出てこない
A.
学校のテストと塾のテストは違います。
そのとまどいを経験して、失敗を楽しみましょう。
凹むこと自体が得難い学習経験なのです。
一つの答えだけを与えられて一直線のルートで過ごしていくと、誰も答えをくれない年齢になって、想定しない場面に出た時に立ち直れなくなります。
Q. 家族イベントと塾の両立
A.
何のために勉強しているのか?
生きがいや健康を犠牲にしてまでしないと行けない学校に意味があるのか?
そう思います。
おおた家では、ナショナルジオグラフィックという番組を家族全員で集まって見るという決め事がありました。
そのような家族の文化を大事にしてほしいです。
親が事前に線引きをしておくと良いでしょう。
ここまでは犠牲にして良い、ここからは犠牲にしない、といったようにです。
何のために生きているのか、その拠り所を犠牲にしないようにしてください。
Q. スマホとの付き合い方
A.
現代社会で一番避けて通れない問題です。
親御さんが子どもの頃にはスマホがまだなかったから、初めてのことで今も手探りのはずです。
少なくとも、スマホを取り上げたら、もっと勉強しなくなるでしょう。
勉強に手がつかなくて、他にやりたいこともないからスマホをしているのだと思います。
「なんでこの子は勉強に手がつけられないのか?」から考えたほうがいいでしょう。
私は、スマホをよくお菓子にたとえます。
スマホを生活の彩りや心の栄養にするならいいですが、主食にして健康を害するなということです。
スマホを遠ざけるのではなく、包丁と一緒で、危険な使い方にもなるものを時には傷を負いながらも、スマホをコントロールしていくのも勉強です。
親は内心オロオロしてていいので、疑いベースではなく信頼ベースで、子どもには信頼してるよという「信頼の前貸し」をしてください。
親の心配な気持ちが子どもに伝われば、そうそう変なことにはなりません。
Q. 志望校が親子間で一致しないとき
A.
親主導で一方的に決めるのは絶対だめです。禍根を残します。
どんな学校に進んでも、学校生活に不満や何かとぶつかる場面は出てきます。
その時、親が決めた進路だと、子どもは人のせいにできてしまいます。
心理学者のアドラーの有名な考えに「この選択の責任は誰にあるのか」という話があります。
受験の場合は、子ども本人にあります。子どもが自己決定して自分で責任を引き受けるという形にしないと、学びになりません。
また、子ども自身に責任を譲っていかないと、真の意味での自由を体感できないでしょう。
もちろん、どこでもいいよと放置するのではなく、親が持っている情報で子どもに聞かせたいことはプレゼンして良いでしょう。
でも、最終的な決定権は子どもとちゃんと手渡すことです。
私は「決断の良し悪しは事後的に決まる」とよくいいます。
不確かなことが多い現代に、事前にわかる正解はありません。つまり、決断したときにはそれが正解か不正解かわかりません。
そこでこう考えましょう。自分が選んだ決断を、自分の努力で「正解」へ引き寄せていくのです。
自分が正解を見つけ出していく経験が、将来の荒波に耐え抜く力になります。
Q. 志望校ランクがかけ離れている場合は?
A.
私立も含めて複数受けることができるのなら、高い志望校にチャレンジして良いでしょう。本来、1つ1つの学校に魅力が必ずあります。魅力を感じた併願校は、入学後もきっと満足できると思ってください。
親の心配は、子どもが落ちている姿を見たくないという親心からきているものと思いますが、それは、傷ついている子どもを見て自分の心が傷つくのを恐れていることでもあります。
世の中思い通りにならないことは多く、この先も傷つかず生きていくことはできません。
「青い鳥の寓話」では、試行錯誤(冒険)をせずに青い鳥を最初から見つけることはできないということを教えてくれます。
傷ついてから初めて知ることは多いです。傷は宝です。
Q. 受験生の親の心構え
A.
親は、子どもの人生の選択を、端から見守る存在です。
たとえば、親が模試の解き直しの手伝いなどをサポートすることがあると思います。
私はやりたいとは思わないほうですが、そうしたサポートが得意な親御さんもいらっしゃるでしょう。
大事なことは、その親御さんは向いていますが、すべての親御さんが向いているわけではないということです。
向いていないからサポートしないという消極的に思わず、「下駄を履かせない親でごめんね」くらいの考えもまた良いのです。
しかし、どんな親であっても持っていてほしい心がけが1つあります。
子どもは受験勉強することで、心境などの人間のいろんな部分が変わります。こうして成長する子どもをよく見て、それを経験したあなたを尊敬するよというスタンスでいてください。
一般的に「すごい」というような人と比べるのではなく、その子がどれだけすごいことをしようとしているのか、という視点で見てほしいです。
おわりに
A.
受験生の親は年がら年中「心配」が基本です。
でも、それは子どもが持っている不安ではなく、親自身の心の中にある不安です。
親御さんご自身も、そんな不安を抱きながら、自分は子育てをよくやっているじゃないかと認めてあげてください。
自分を認めると、子どもの色々も認められるようになります。
受験は、一定数以上の結果を出せば取れる検定とはちがい、競争だから絶対に勝ち負けが出ます。
そのような意味で、勝った人より負けた人のほうが数は多いはずです。
つまり、結果に注目するかぎり、ほとんどが負けに映るのです。
でも、本当は負けではなかったはずです。
プロセスの中での「勝ち」がたくさんあり、それを見つけて認めていけるかにかかっています。
受験勉強は家族全員にとって、チルチルミチルが青い鳥を家庭内で見つけるための大冒険です。
青い鳥は結末だけでなく、物語の中盤にも見どころがあるのです。そう思うことで「必笑」の受験生活を過ごせます。
青い鳥のお話はこちら↓
青い鳥 メーテリンクの童話 <福娘童話集 きょうの世界昔話>京進の個別指導 スクール・ワン四日市ときわ教室
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