今回はグリット(GRIT)という考えかたを紹介します。
グリットを知ることで、やる気に頼った勉強から1人でも多くの方が卒業していくのが目的です。
「やればできる」は、脳科学の世界では意味がないNGワードとなっていますから、別の言葉を使っていきたいですね。
グリットは5年くらい前から流行りだした言葉です。
検索したら過去の学校だよりなどで校長先生が取り上げていたので、すでにご存じの方もいらっしゃるかもしれません。
GRITは下の4単語の頭文字をとった造語で、アメリカの心理学者の方が提唱しました。
日本語に訳すと「やり抜く力」という意味です。
- Guts(ガッツ) 困難だけどそれに立ち向かう勇気
- Resilience(レジリエンス) 一度凹んでもまた立ち直る回復力
- Initiative(イニシアティブ) 自分のことと受け止めて動き出せる主体性
- Tenacity(テナシティ) やりとげる執念、しつこさ
これは、知能テストなどでは数値化できない「非認知能力」の1つといわれています。
グリットが身につくと、その日のやる気がどうであれ、自然と体が動きます。
毎日のやる気の浮き沈みから、さようならできます。
グリットの良いところは、環境や才能、それこそ頭の良しあしなどはまったく関係なく、どんな人でも自分で伸ばすことができる能力とされているところです。
グリットのきたえかた
では、グリットをどう伸ばせるかという話ですが、2020年にこのような実験がありました。
「やり抜く力」を脳の特徴から予測 目標達成を助けるツールに
国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)『JST news』2020年6月号
数値化できないグリットを、数値化しようとした実験です。
具体的に役立てそうなポイントがいくつかあります。
- 目標がおおざっぱ(入試までがんばる、とか)だとやり抜けない。
- 小さな目標で小さく達成すると、やり抜ける。
- 目標の細分化で、脳の構造が変わる(!)
大昔、教室通信で「ゲーミフィケーション理論(ゲームのように勉強を楽しむ)」を特集したことがありますが、そこでも「小さなごほうび達成(スマホゲーのログインサービスなど)」がゲームを続ける中毒性につながることを紹介しました。
京進の場合は、リーチング学習手帳の毎日のルーティン目標が「小さな目標」で、そこに具体性と小さな報酬を加えることが重要だと考えます。
グリットは、昔からある日本語で平たく言うなら「忍耐力」「持久力」といった言葉に近いです。
ガマンするために必要なのは、その人の気持ちといった漠然としたものではなく、”体力と時間の余裕があるかどうか”だと思います。
この、体力と時間の余裕を作り出すためには、日常生活で「引き算の発想」が大事です。
私たちは、朝起きてから、
「眠いけど今起きるかどうしようか」
「水を飲もうかなお茶にしようかな」
「友だちのLINEに今すぐ既読をつけるかどうか」
など、1日に約35000回の小さな決断や選択をしているそうで、無意識にエネルギーをゴリゴリ削られているそうです。
特に、夜(塾の授業や自主勉強)はエネルギーが枯渇した後です。
リーチング学習手帳に書いた5つの目標以外、何もしなくてもいいくらいです(その代わりその5つはやり抜く)。
体力を削るものはできる限り引き算(=やらない)していただき、時間の余裕と決断力&選択力を夜まで温存しておいてください。
ここまで段取りして初めて、やり抜けなかったことがやり抜けるはずです。
やる気とはちがう、やり抜く力。
最後に、やり抜く力が自然と出るための「決断力&選択力 温存12カ条」を掲載しておきます。
日常生活でエネルギーが削られているだけで、本来はだれにでも「やり抜く力」は備わっている、それを阻害しているものは何か?という視点で生活のあれこれを見直してみませんか。
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京進スクール・ワン四日市ときわ教室
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電話番号:059-329-7664
教室長:吉川(よしかわ)
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