教室長の吉川です。
少子化のなか、通信制高校に入学する生徒の数が年々増加しています。
四日市市でも、数年前と比べても通信制高校の数が増えました。
そして当教室でも、通信制に通う生徒さんや通信制を目指す生徒さんに出会う機会が日常的になってきたように感じます。
多様な生き方の時代の、多様な選択肢の一つとして普通にあるということを前提に、塾でも過度に構えず、自然体で受け入れていきたいです。
とはいえ、個別指導塾の多くもまだ従来の全日制高校に通うことを前提としたシステムになっており、通信制の生徒さんの指導に特段詳しいわけでもありません。
そのあたりをふまえて、今回は塾視点からですが、通信制高校に通う生徒さんがどのように塾を活用していくとよいかというポイントをまとめてみます。
通信制高校に通われている方、そしてその保護者の方で、新しく塾を探される場合の参考となさってください。
通信制を何年で卒業するか
私もそんなに通信制の知識があるわけではありませんが、通信制に向けて進路指導した経験がない塾ほど、通信制についての知識は当然乏しいです。
生徒さん、保護者の方のほうが断然、その高校のことについて詳しいです。
通信制課程がそもそも何年間かけて卒業か、という知識がないことさえありえます。
そこで、通っている通信制高校を何年で卒業するつもりか、を塾に伝えるとよいでしょう。
現在の気持ちで大丈夫です。
高校のカリキュラムによって、そして、現在までの通学状況によって、3年間で卒業するか4年卒業計画なのか、などをあらかじめ双方が知れると、塾側の指導方針や用意するカリキュラムも具体的に、そして、実情とずれにくくなると思います。
これまでの経緯と進路希望
通信制を選択した理由もさまざまです。
デリケートな問題も含む場合があるので、塾側から根掘り葉掘り聞くのは失礼と考えて、これまでの経緯や事情などの聞き取りを遠慮することが多いです。
しかし、お互いの心の内はある程度知ったほうが、塾に求めることや進路に合った指導を受けやすいと思います。
話せる範囲でかまいませんので、相談してみてください。特に個別指導塾は、いただいた情報に対して授業内容(難易度含む)を柔軟に組み立てられる業態です。
選択している授業と、これから受ける予定の授業を共有する
通信制は、たくさんの授業の種類から選択して授業を受けるという特徴があります。
また、全日制の普通科高校とは同じ科目名でも、授業の内容がかなり異なるケースも多いです。
多くの塾では、経験上、全日制の普通科高校の高校英語・高校数学・高校国語などをイメージして授業準備や指導をおこなうことと思います。
この場合、高校の授業内容と塾の授業のミスマッチが想定されるので、できるかぎり高校の授業内容がわかるものを携えて塾へ伺うと良いでしょう。
たとえば、高校からもらえるシラバスや、次学期・次年度で選択する授業が載った一覧リストなどです。
実際の教科書や副教材を塾に見せるとさらに良いと思います。
定期テストをどのようにサポートするか
多くの塾の高校生コースでは、高校の定期テストに向けて対策していきます。
ただし、通信制によっては試験の内容がレポートだったり、日頃の授業をしっかりしていればテスト対策というものが追加では不要の場合があります。
おそらく、塾側にはその高校の過去問などがないので、手探りで準備してくれると思います。
もしテスト対策が希望であれば、高校から事前に知らされたテスト範囲や出題方式などを、先生からの口頭情報でもかまいませんので塾にシェアしていただけると、その情報から判断して塾の授業が合わさってくると思います。
卒業後の進路によっては(大学進学の場合)
これは重要なポイントです。
卒業後の進路は、四年制大学、短大、専門学校、就職などに大きく分かれます。
どの進路を考えているか、今の時点で大丈夫ですので塾としっかり共有しておきましょう。
なぜかというと、特に大学進学の場合は、塾が受験勉強の中心的役割になる場合があるからです。
通信制高校にかぎらずですが、現代は一般入試ではなく推薦入試で合格を勝ち取る受験生が増加しています。
たとえば高校の評定値(内申点)重視で合格が決まる指定校推薦や学校推薦型入試の場合、一番の受験勉強は一般入試対策ではなく、高校の成績評定を上げるための学校授業対策・定期テスト対策です。
逆に、その高校では推薦が得られない大学・入試を選ぶ場合は、学校の内容や定期テストに合わせるよりも、入試に備えて塾独自のカリキュラムで授業を希望したほうが良いでしょう。
その場合、入試に最終的に必要な科目すべてを受講したほうが良いと思います。
高校の学習だけでは不足が多く、独学でやろうと思っても体系的な入試勉強は難しいからです。
どの科目の受講が必要かは、希望する大学・学部などを教えていただけたら、塾側で調べて必要な内容を提案できます。ここは塾が得意な領域です。
通信と塾の"立ち位置の違い"をうまく利用する
最後に、塾に通ってから困ることが出てきやすいポイントについて触れておきます。
通信制のメリットは、自宅で学習を続けられることです。
自分の生活リズムや時間に合わせやすいという自由さもあるでしょう。
塾は、自宅以外の場所に足を運び学習するというスタイルです。
当たり前のようで、通信制に通う子ども視点で見れば、これは大きな環境の違いです。
具体的には、塾には周りでさまざまな学年・学校の生徒が思い思いに学習しています。
当教室の場合は1対2個別指導ですので、先生を挟んで左右に別の生徒が勉強しています。
周りと交流するわけではないですし、みんなと比べられることもありませんが、周りの目と周りの学習オーラを感じるという点で、環境が異なります。
意外とここで、エネルギーを消耗してしまうかもしれません。
普段、意識していない部分を鍛えるからです。
こういった部分は不要なストレスと感じるかもしれませんが、入試の本番を考えると、初めて出会う人たちの中で試験を解くので、入試本番の環境に近づける場所として塾は有効です。
また、大学入試は全国のあらゆる受験生が受けるものと考えると、塾を通して他の高校の受験生の勉強姿勢や、塾の体系的な進路指導に刺激を受けることはアリだと思います。
定期的に自宅外で学習する、決まった時間内で問題を解く、これらの「不自由さ」も見方を変えれば、得難い経験を身に着けているのかもしれません。
入試だけでなく、進学先の大学生活や、社会に出た後で求められることもあるでしょう。
通信制のスタイルがピッタリ合っているという方こそ、不自由さのある中で学習を続けるという塾の環境に、難しさを感じて挫けそうになる瞬間もあるでしょう。
難しさを感じた時こそ、試験本番に近いことをしているんだとチャンスにとらえていただき、一つの勉強体力を育てる場として塾をうまく利用してほしいです。
あくまでも当教室の場合の塾の視点をお伝えしました。
塾選びをする際や入塾する際、親子間でこのあたりの意思の一致をされると、勉強が続きやすいと思います。
心身の健康を大事にしながら、将来の進路・夢実現に向けて一歩踏み出す場として、塾を活用してください。
京進の個別指導 スクール・ワン四日市ときわ教室
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教室長:吉川(よしかわ)
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