最新の大学入試情報まとめ(国公立大・私大2020年11月時点)~大学が変わると、高校、そして小中学校も変わる~

2020年11月23日月曜日

大学入試

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京進スクール・ワン四日市ときわ教室の吉川です。
今回の記事は、今月の教室通信(内部生の方に毎月お渡ししている冊子)のダイジェストです。
2020年11月時点の「大学入試情報まとめ」をお送りします。

大学入試共通テストとは?


2021年1月入試から、センター試験に代わって新しく「大学入試共通テスト」がスタートします。

数年かけて国が主導してきた、大学入試改革(高大接続改革)の改革初年度になります。

共通テストの特徴として、数学や国語の試験内容にマーク選択式から記述式問題が増えることや、思考力を問う出題の増加、英語の入試に外部民間検定を導入するなど、報道でも大きく取り上げられていたことは記憶に新しいと思います。

しかし、その後、英語外部検定や数国の記述式問題の国公立大一律導入はいったん見送りになりました。
そこにコロナウイルスが加わり、大学ごとではコロナに対応して独自の特別措置が出るなど、当初の改革案からは大きく様変わりしてきています。

大学入試を受ける生徒だけでなく、全小中高生に関係する改革


大学入試改革という言葉がしばしば使われますが、これは改革の全貌を正確に伝える表現ではなく、実際のところは「高大接続改革」です。
つまり、高校と大学のそれぞれに影響する改革と言えます。

大学入試が変わると、高校での教育内容が変わり、高校が変わると求める生徒像が変わり、高校入試も変わります。
高校入試が変わると、中学校、そして小学校の教育内容も変わります。

このように考えると、高校生だけではなく、小中学生の方も、進学希望の方だけでなく就職希望の方も、最新の改革情報を知っておくことをおすすめします。
そして、これからの教育改革の方向性を知っていただくことは、今の子育てを考えるにおいてとても大切なことだと言えるでしょう。

入試の名称や枠組み、イメージが変わります


まず基礎知識として、これまで使ってきた入試制度の名称が変わります。
今後、古い名称は使われなくなってくるので、今後ご注意ください。
  1. (旧)AO入試 → (新)総合型選抜  
  2. (旧)推薦入試 → (新)学校推薦型選抜 
  3. (旧)一般入試 → (新)一般選抜 
※指定校推薦・公募制推薦の枠組みは、当面現状維持の見通しです。

入試制度の名前だけでなく、内容にも変更点があります。
大きな変更点は、総合型選抜(旧AO)・学校推薦型選抜(旧推薦)ともに、学力検査が課されるようになることです。

とはいえ、これら一般入試以外で大学受験する高校生は例年増加傾向になります。現時点でおおよそ、私立大学受験者の過半数が推薦・AO入試を利用しています。

国公立大学においても、推薦入試・AO入試での入学割合はおよそ5人に1人の時代といわれます。
国公立=一般入試という発想も緩和していった方が良いでしょう。

国公立大学の入試最新情報


大学入学共通テストと、個別試験に分けて紹介します。

■ 大学入学共通テスト


受験生は、出願時(9月末~10月頭)に第1日程・第2日程のいずれかを選択します。これは、コロナによる2021年度入試限定の特例措置とされています。
 
  • 第1日程:2021年1月16日(土)・17日(日)
  • 第2日程:2021年1月30日(土)・31日(日)

第2日程は、「学習の遅れ」により第2日程受験が適当であると学校長から認められた現役生と、疾病により第1日程を受験できなかった受験生で、追試験の受験を認可された生徒が対象です。

また、特例追試験が2月13日(土)・14日(日)があり、これは第2日程の追試として位置づけられています。
2013~15年度に作成された大学入試センター試験の予備問題を使用するそうですが、科目によっては試験時間にも違いがあるため成績の比較が難しくなります。
追試成績の扱いは、各大学判断となるとのことです。

今年度の実際の動きですが、ほとんどの高校では、第1日程での受験を推奨しています。
また、2020年センター試験の追試受験許可者数は、全受検者が50万人以上いる中で、300人にも満たない数でした。

例年、追試験の方が本試験よりも難しいとされ、両試験間の得点調整は行われない方針です。さらに、第2日程の平均点公表日は、国公立大出願締切日にあたり、志望校変更を考える時間がとれません。

こういった点を踏まえると、第1日程での受験を推奨します。

■ 個別試験


出願期間は2021年1月25日~2月5日で、前期日程は2月25日開始、後期日程は3月12日以降で大学によって異なります。

追試験が、新たに全国の公立大学で設定されました。
追試験日は3月22日で合格発表が3月26日以降、入学手続締切期日3月30日までとなっているので、文字どおり「最後まで大学入試はあきらめない」という気持ちを大事にしたいですね。

大学入学共通テストの最新情報


センター試験からの主な変更点を紹介します。

■ 英語

・発音・アクセント・並び替えの問題(文法単独問題)が消滅。
・筆記とリスニングの配点が変更。リスニング重視。
 リーディング :200点 → 100点 / リスニング:50点 → 100点 に。
・リスニングでは、音声の再生が1回のみの設問も出題(センター試験ではすべて2回読みでした)

■ 数学

・数学ⅠAの試験時間延長 60分→70分へ 
・解法パターンの暗記では対応できなくなる
・日常の事象を取り入れた問題が出題。読解力も問われる出題形式に変化します。日常生活の具体的な場面と教科の知識を結びつけるような出題など。

記述式問題はいったん見送りとはいえ、覚えた知識を設問に応じてアウトプットする力が、これからの入試勉強では必要になっていきます。

最後のセンター試験は実際どうだったか


2020年1月の最後のセンター試験では、2021年から始まる「大学入学共通テスト」を見据えて、これまでよりも思考力を問う出題が見られました。共通テストの出題内容の方向性が透けて見える内容だったと言えます。
英・数・国に関して、簡単に紹介しておきます。

■ 英語


スポーツのルールが含まれた文章を理解した上で、そのあと計算してから答えを出す問題が出ました。
1問に対して、単語だけを問う、文法だけを問うという時代はすでに終わっているということです。

■ 数学


数学IAでは、単なる数値の当てはめではなく、正しい説明を複数選ぶ問題が見られました。
このような新傾向・難化の入試問題に対して、入試結果は平均点が昨年からダウンしています。
2021年も数学は難化傾向が継続する可能性が高いと予想されます。

■ 国語


国語では、漢詩を理解した上で、内容に合うイラストを選択する問題が出たのが特徴的でした。
ほかにも、国語では今後の共通テストの新傾向として、実用的文章(法令文書やビジネスの契約書類など)を使用した問題や、2つの文章を組み合わせた問題を出題していく方針が発表されています。

共通して言えるのは、幅広い生活経験や、社会への教養がないと、科目の知識以外で苦戦する確率が高いという"一種の警告"です。

私立大学の定員厳格化の現状


増えすぎた私立大学に対して、各私大の入学定員を厳格化する動きが2016年からスタートしました。

その結果、私立大学は昔のイメージより「入りにくく」なっているのは確かです。

ただし、上位私立大学の志願者増・難化傾向は、2018年をピークにして歯止めがかかっています。
2019年度以降、上位私立大学については受験生が受験回避する傾向が高くなり、志願者数が減少しています。
2020年入試では、私大・国公立大ともに、超安全志向の出願が目立ち、浪人生が難関大学へのチャレンジを避けて、安全圏の大学を受ける動きが多かったと各方面で分析されています。

このような点を考慮すると、私大はいわゆる安全圏の大学を確保した上で、必要以上に怖がらず、本当に行きたい大学にも挑戦することが大事です。
実際、昨年の入試結果を見ると、難関大では合格しやすいところもあり、狙い目だったと思います。また、3月下旬まで補欠合格を出す大学も多いです。

私大も「最後の3月まであきらめない」の心でいきましょう。

まだ受験学年ではない方の”今からの準備”とは?


“高校受験は中学3年の1年間で大逆転も夢ではないけれど、大学受験は高校1年生の最初の1学期から始まっている” 

これは、受験業界や教育分野でよく言われる話です。

私立大学に入学する半数以上が推薦・AO入試によるものとお伝えしました。

推薦を活用することも、現役合格の成功条件です。
その評定は高1の1学期の成績から反映されるので、のんびり構えたまま1年が過ぎると、学習を積み上げている生徒と取り返しのつかない差が生まれます。

特に、積み上げ型の教科の英・数は、わからなくなってから取り戻すことは非常に難しいので、学校の毎日の授業で疑問点を残さず、二度と忘れない気持ちで日々復習や振り返りをすることを今から強くお薦めします。
(英語は中学生、数学は小学生からの積み上げとなり、下がグラグラでは上が鍛えられることはありません)

受験はしばしば長距離マラソンにたとえられます。
スタート時からしっかりとゴールを意識して、逆算の発想で今日1日のペースを決めるという長期的なスケジュール管理能力が、そのまま受験力となるでしょう。

そしてもう一つ大事なことは、今後、予測できない事態や正解のない時代に突入しているということです。コロナウイルスもその一つです。
今回ご紹介した入試制度も、例年、いや、日々変わる可能性があります。

入試の難易度さえ、大学入試では一般的に「過去問で6割獲得すれば合格圏内」という言葉が広まっていますが、今後、入試制度も問われる力も変わりますので、従来イメージでの戦いは危険です。

今後も、受験に関する最新情報を京進スクール・ワン四日市ときわ教室では収集していきます。
塾生の方には、志望校に応じて情報発信をしていきます。お求めの情報がございましたら当教室までお問い合わせください。その時の最新情報をお伝えしてまいります。

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京進スクール・ワン四日市ときわ教室 
住所:三重県四日市市城西町4-21 ときわビル1階東 
電話受付時間:15:00~22:00(日曜・月曜定休日) 
電話番号:059-329-7664 
教室長:吉川(よしかわ) 
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